中国発ヒューマノイドを開発する X Square Robot が1.4億ドルを調達
X Square Robotは、2023年12月に創業した中国・深圳拠点のロボットAI企業で、AIモデルの開発を中核に、実機ロボットも含めて展開している。2026年1月12日、同社はSeries A++ラウンドで約1.4億ドル(約10億元)を調達したと発表した。投資家にはByteDanceやHongShan Capitalが含まれる。
同社は、視覚・言語・行動を統合するAIモデル「WALL-A」を軸に、実機ロボットとしてQuanta X1および車輪型ヒューマノイドのQuanta X2を展開している。公式発表では、AIモデルとロボット実装を並行して進める点を特徴としており、特定用途に限られないロボットAIの構築を目指す姿勢を示している。
汎用ロボットAIを巡る各社の立ち位置
同社の今回の発表で注目すべきなのは、調達額そのものよりも、自らを「汎用ロボットAI」を志向する企業として位置づけている点だ。AIモデルと実機ロボットを併せて示し、特定用途に限られないロボットAIの構築を前提に語っている。
同じ領域には以前弊社でも紹介したSkild AIやFigureといった企業も存在するが、アプローチはそれぞれ異なる。Skild AIはロボットに搭載される汎用的なAI基盤を主軸に据えている。一方、Figureはヒューマノイドという完成したプロダクトを前面に出す戦略を取っている。X Square Robotはその中間に位置し、AIモデルと実機の両方を並行して示している点が特徴だ。
もっとも、これらは公式発表から読み取れる範囲での整理にとどまる。企業間の提携や競合関係を示すものではないが、X Square Robotがどのレイヤーに軸足を置く企業なのかを理解するうえでは、こうした違いを踏まえて捉える必要がある。
行動を予測し、実世界で学ぶロボットAI
同社は、ロボット向けAIモデル「WALL-A」を、視覚・言語・行動を統合するVLA(Vision-Language-Action)モデルとして位置づけている。公式発表では、単なるセンサー反応型ではなく、環境の状態を内部表現として保持し、次の行動を選択するための基盤モデルだと説明されている。
技術的な特徴として同社が挙げているのが、World Modelsの活用だ。ロボットが行動の結果を事前に予測し、環境との相互作用を内部でシミュレーションすることで、実世界での判断や行動計画につなげる設計だとしている。未知の状況でも行動を組み立てられる汎化能力を狙っている点が強調されている。
またWALL-Aは、シミュレーションに閉じた学習ではなく、実機ロボット上での学習と検証を前提としている。Quanta X1やQuanta X2を用いた強化学習を通じて、実環境での挙動を改善していく方針だ。未構造環境でのゼロショット動作を掲げているものの、性能評価の詳細は現時点では限定的だ。
基盤モデルと実機検証を軸に、産業展開を進める
同社は、今回の資金調達を通じて、汎用ロボットAIの実装を一段進めていく構えだ。公式発表では、特定用途に閉じたロボットではなく、現実世界で多様なタスクに対応できる基盤モデルの構築を中核に据えており、今後はモデル開発と実機検証を並行させながら、産業領域での適用を広げていくと見られる。
その方向性を裏付ける形で、CEOのWang Qian氏は「ロボットが現実世界のタスクを真にこなすためには、物理世界に根ざした基礎モデルが不可欠だ」と述べている。単なるアルゴリズム改良ではなく、ロボットの“脳”となる基盤を作ることが同社の目的だという。
また同氏は、今回の資金調達について、戦略的投資家からの支持を得た点を強調しつつ、今後はモデル、データ、ハードウェアの三つを軸に開発を進めると語っている。製造や物流、シニアケアといった分野での展開を視野に入れ、実環境での積み上げが次の焦点になりそうだ。
参考文献:
※1:X Square Robot Secures $140 Million in Series A++ Funding( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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