生成AIを活用した創薬プラットフォームを開発するConverge Bioが2500万ドルを調達、すでに12社超の製薬・バイオ企業で利用
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米国のConverge Bioは、生成AIを活用した創薬プラットフォームを提供するスタートアップである。彼らは分子設計から最適化までを一貫して支援するシステムの構築を目指している。
DNA・RNA・タンパク質といった分子データに特化した生成モデル群を統合し、研究者の日常的な創薬ワークフローに直接組み込める点を特徴とし、単一モデルの性能向上ではなく、実験検証を前提とした反復プロセス全体の効率化を狙うアプローチを採る。
同社は、2500万ドルのSeries A資金調達を完了した。ラウンドはBessemer Venture Partnersがリードし、TLV Partners、Vintage Investment Partners、Saras Capitalが参加している。これにより累計調達額は約$30百万となった。調達資金は、生成AIモデル群の高度化と統合、製薬・バイオ企業向けプロダクトの拡張、ならびに顧客導入を支えるエンジニアリング体制の強化に充てられる予定だ。
コンバージバイオチーム(同社プレスリリースより)
モデルを作らず、仕組みを作る
AIを用いた創薬では、高性能な生成モデルがあれば開発が進むと考えられがちだ。しかし実際の現場で時間を要するのは、分子を作る工程ではなく、その後の評価、選別、実験検証を何度も繰り返すプロセスにある。モデルの精度を上げるだけでは、この反復作業全体は速くならない。
同社は、この点に着目し、生成AIを単体で使うのではなく、分子生成、物性予測、実験結果のフィードバックを一つの流れとして統合した。DNA・RNA・タンパク質に特化した複数のモデルを、研究者の作業手順に組み込み、仮説検証を回しやすくする設計を採っている。
同社が掲げる「誰でも使えるAI創薬」は、創薬を自動化するという意味ではない。創薬は依然として専門知識と判断を要する工程が多い。同社はその前提を受け入れ、生成AIを研究者の意思決定を支える道具として位置づけている。モデル競争に陥らず、現場で使われる仕組みを作ろうとする点に、同社の技術的な狙いがある。
分子生成を「反復可能な作業」に落とし込む仕組み
同社技術は、1つの生成モデルに依存せず、分子の種類や目的に応じて複数のモデルを使い分ける構成を取る。DNA、RNA、タンパク質それぞれに適した生成・予測モデルを組み合わせ、結合の強さや安定性、作りやすさといった観点から同時に評価する。これにより、無数の候補を作るのではなく、実験に進めるべき分子を早い段階で絞り込むことができる。
この仕組みは、実験結果が必ず戻ってくることを前提に設計されている点が特徴だ。モデルは一度答えを出して終わるのではなく、実験データを受けて再び学習し、次の候補を出す。この繰り返しによって、試行錯誤にかかる時間を短縮し、創薬の進行を速めることを狙っている。
また同社は、研究者の判断をAIで置き換えようとはしていない。AIは意思決定を代行する存在ではなく、選択肢を整理し、判断をしやすくする補助として使われる。Converge Bioの技術のポイントは、新しいアルゴリズムそのものよりも、創薬の作業工程を分解し、AIが役立つ場面を絞り込んだ点にある。
実証段階を越え、実利用が広がるフェーズへ
同社は、創業から約18か月でSeries Aに到達し、すでに12社超の製薬・バイオ企業で利用が進んでいる。現在は標的探索、抗体設計、タンパク質製造最適化といった領域で導入され、過去1年で40以上の創薬プログラムを完了したとしている。成果としては、結合親和性が一桁ナノモルレベルの抗体発見や、タンパク質製造収率の4〜7倍改善などが挙げられている。
今回の資金調達により、同社はプラットフォームの拡張と顧客導入の加速を進める方針だ。投資家側は、研究段階にとどまらず、支払い顧客に対して実際の成果を出している点を評価しており、Converge Bioがライフサイエンス業界における「事実上の生成AIラボ」になり得ると述べている。今後は、より多くの製薬・バイオ企業に向けて、生成AIを日常的に使える創薬基盤として広げていく段階に入る。
参考文献:
※1:Converge Bio raises $25M to bring generative AI drug discovery to every biotech and pharmaceutical company( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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