汎用知能基盤を開発するSkild AIが、SoftBank Group主導のもと14億ドルの資金調達を完了
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Skild AIは、ロボット向けの汎用AI基盤モデルを開発する米国のロボティクスAI企業である。中核となる「Skild Brain」は、特定の機種や用途に依存せず、多様なロボットを制御できる統一型の知能を目指している。シミュレーション、動画、人の操作データ、実機データを組み合わせて学習することで、ヒューマノイドや四足ロボット、産業用ロボットなど幅広いプラットフォームへの適用を想定している。
同社は2026年1月、シリーズCにおいて14億ドルの資金調達を完了した。本ラウンドはSoftBank Groupが主導し、NVIDIA傘下のNVentures、Bezos Expeditions、Macquarie Capitalなどが参加している。これにより企業評価額は140億ドル超に達した。調達資金は、基盤モデルの研究開発強化と学習基盤の拡充、ならびに実環境でのロボット展開の加速に充てられる予定である。
汎用ヒューマノイド時代を支える知能基盤
同社が開発する「Skild Brain」は、ロボットの種類や用途に依存しない汎用的な知能基盤を目指したロボティクス向けAIモデルである。特定のロボットやタスクごとに制御を設計する従来手法とは異なり、同一のAIがヒューマノイド、四足ロボット、アームなど多様なロボットを制御することを前提としている。ロボットの身体構造を細かく定義せず、環境との相互作用から動作を生成する点が特徴である。
このSkild Brainは、シミュレーション、人の動作動画、遠隔操作データ、実環境稼働データといった複数のデータソースを組み合わせて学習する。ロボットが実運用に投入されるほど学習データが蓄積され、性能が向上する「データフライホイール」を前提とした設計であり、完成形を固定せず、運用を通じて知能を更新し続ける基盤となっている。
このアプローチは、以前紹介したFigureのように、多くのヒューマノイドロボットの企業とはアプローチが異なる。Figureのような企業が自社開発のハードウェアで「汎用的な『身体』」を追求しているのに対し、Skild AIは「どんな身体でも使える『汎用的な頭脳』」を開発しようとしているように見える。
巨額投資が示す「知能レイヤー」への期待
本資金調達に参加した投資家の顔ぶれは、同社が単なるロボット開発企業ではなく、ロボティクス全体を横断する基盤技術の担い手として評価されていることを示している。
ヒューマノイドロボットに長期投資するSoftBank Group、ロボット知能をAIインフラの延長と捉えるNVIDIA、実運用とスケールを重視するBezos Expeditionsの判断はいずれも、Skild Brainを製品ではなく「知能レイヤー」として見ている点で共通している。
とりわけ、ハードウェアの形態や用途が定まらない段階では、特定のロボットに依存しない知能基盤が戦略的な価値を持つ。同社は、ヒューマノイドを含む多様なロボットを横断的に扱える構想を掲げており、ロボティクスを個別最適からプラットフォーム型へ移行させる可能性を秘めている。今回の巨額投資は、こうした知能基盤が将来のロボットの標準知能となると考えられる。
参考文献:
※1:Announcing Series C( リンク)
※3:同社HP( リンク)
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