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中国ROBOTERAが2億ドル超を追加調達、物流向けヒューマノイドロボットの商用化を加速

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中国のロボティクス企業ROBOTERAは、2億米ドル超の新たな資金調達を実施したと発表した。今回のラウンドはSF Groupが主導し、HSG、IDG Capital、Hillhouse Investment、CICC Capitalなどの金融投資家に加え、KENGIC、Dongfeng Asset Investment、ICBC Capital、中国聯通系ファンドなどの産業系投資家も参加した。

同社は、ヒューマノイドロボットや身体性AIの実装を進める企業で、2026年3月には10億元規模、米ドル換算で約1.4億ドル規模の戦略的資金調達も実施している。今回の追加調達により、物流現場を中心としたロボットの量産・商用展開をさらに加速する。

ヒューマノイド競争は「高度なデモ」から「現場での継続稼働」へ

今回のポイントは、同社がヒューマノイドロボットの商用化において、物流現場を起点に量産・導入フェーズへ移行しつつある点にある。弊社が以前紹介したApptronikは、製造現場向けのヒューマノイドを展開しており、X Square Robotは視覚・言語・行動を統合するVLAモデルを軸に、汎用ロボットAIの開発を進めている。

これに対して同社は、物流センターという具体的な業務領域で実装を進めている点が特徴だ。China PostやSF Groupと連携し、すでに10カ所以上の物流センターでロボットを導入しているほか、2026年第2四半期には千台規模の出荷を開始し、成長率は300%を超えたとしている。

また、過去に取り上げたPudu Roboticsのように、商用サービスロボットで大規模な導入実績を持つ企業と比べても、同社はより複雑な把持・仕分け・搬送作業を担う物流向けヒューマノイドに軸足を置いている。単に人型ロボットを開発するだけでなく、現場で求められる作業単位に落とし込みながら実装を進めている点が差別化要素となる。

この点で、今回の資金調達は単なる大型ラウンドではなく、ヒューマノイドロボットの競争軸が「高度なデモ」から「どの現場で、どれだけ継続的に稼働できるか」へ移っていることを示す動きといえる。

特にSF Groupが主導投資家として入っていることは、資金面だけでなく、実装先、現場データ、導入需要を同時に確保する意味を持つ。弊社がこれまで取り上げてきたロボティクス企業群と比較しても、同社は物流現場での実装密度を高めながら、量産フェーズに踏み込んでいる点で注目される。

物流現場の実装を支える、全身制御とロボットハンド

同社の技術面での特徴は、ヒューマノイドロボットのハードウェアとAIモデルを一体で開発している点にある。公式HPでは、物流向けソリューションとして、ロボット本体、把持機構、視覚・言語・動作を統合するAIモデルを組み合わせ、荷物の認識、把持、スキャン、仕分け、箱詰めなどの作業に対応する構想を示している。

YouTubeで公開されている同社のフルサイズ二足歩行ヒューマノイド「L7」のデモ動画では、腕や脚、体幹を連動させながら、姿勢を崩さずに連続的な動作を行う様子が確認できる。これはデモンストレーションではあるが、物流現場で求められる移動、姿勢制御、対象物への接近、把持動作の安定性にもつながる技術要素といえる。

特に重要なのが、把持・操作を担うロボットハンドだ。同社は中核部品の95%以上を内製しており、フルダイレクトドライブ式の器用なロボットハンドを強みとしている。物流現場では、荷物の形状や配置が一定ではないため、単に人型であることよりも、認識・判断・把持・搬送を安定して繰り返せるかが重要になる。同社の技術開発は、この「最後の数メートル」の自動化を狙うものといえる。

物流から自動車・電子機器・サービス産業へ展開を加速

同社は今後、物流分野で培った導入実績を基盤に、自動車、電子機器、サービス産業などへ展開領域を広げる方針だ。発表では、同社がグローバル市場での商用化を加速し、より多様な産業シナリオにヒューマノイドロボットを展開していく姿勢が示されている。

今回の資金調達には、物流に加えて、自動車、通信、金融、製造関連の投資家も参加している。これは、同社にとって資金面だけでなく、今後の導入先や産業データを広げる足がかりになる。特にヒューマノイドロボットは、実環境での稼働実績が商用化の評価軸となるため、複数産業との接点を持つことは重要になる。

今後の焦点は、物流で得た作業ノウハウを、どこまで他産業に横展開できるかにある。ヒューマノイドロボットは汎用性が期待される一方、現場ごとに求められる作業や安全要件は異なる。同社が量産フェーズに入る中で、稼働率、保守性、導入効果をどこまで示せるかが、次の成長を左右する。


参考文献:

※1:ROBOTERA Raises Over USD 200 Million in New Round Led by SF Group, HSG and IDG Capital( リンク

※2:同社HP( リンク



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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