油圧ショベルの掘削・積み込みを自動化する Bedrock Roboticsが6億ドル調達
米国のBedrock Roboticsは2026年10月26日、シリーズCで6億ドルを調達したと発表した。既存の油圧ショベルにセンサーと計算装置を後付けし、掘削や土砂の積み込みを自律運転させる技術を開発している。
CapitalGとEmergence Capitalが共同で主導し、Bessemer Venture PartnersやTemasekなどが参加した。調達後の企業評価額は41億ドルである。資金は米国の建設現場への導入拡大と、現場での運用を支える体制の整備に充てる。
既存設備を生かした自動化と有償運用への移行
重機を買い替えずに自動化できる点は、建設会社にとって導入の判断材料となる。出資者のBessemer Venture Partnersによると、後付け装置は数時間で設置でき、機械に恒久的な改造を加えず取り外せる設計である。複数メーカーの重機が混在する現場でも、保有設備を生かした段階的な導入を目指せる。
当社メディアでも以前、同社による2億7,000万ドルのシリーズB調達を取り上げた。その後、2026年8月には実際の建設現場で、運転席に人を乗せずに作業する段階へ進んだ。今回の発表では、こうした自律運転による有償作業の開始を明記しており、技術実証から商用運用への移行が確認できる。
Bessemerの担当者はテキサス州で、無人の油圧ショベルが人の運転するダンプトラックへ土砂を積み込む様子を視察したと説明している。これは、現場全体を一度に無人化せず、人の作業と自律機械を組み合わせる運用である。同投資家は、顧客にとっての価値を単なる費用削減にとどまらず、人員不足で見送っていた工事を受注するための施工能力の確保と捉えている。
地形を認識し、掘削動作を組み立てる機械学習
同社の技術は、周囲の地形や障害物を捉え、施工計画に沿って土を掘り、移すための動作を機械自身が組み立てるものである。公式技術ページでは、斜面、溝、岩などを含む環境の理解と、計画に合わせた地形の形成を説明している。移動経路を選ぶだけでなく、作業によって形が変わる地面を扱う点に特徴がある。
装置にはセンサー群と計算装置を組み合わせ、数万時間の現場データで学習した機械学習モデルを用いる。現場管理者が初期計画を設定すると、周囲の認識、動作の計画、作業の実行を一連の処理として進める。同社が「エンドツーエンド」と呼ぶこの方式は、環境に応じた判断と機械の動作をつなぎ、複雑な掘削作業を自律的に行うための基盤である。
安全面では、人や許可されていない物体が近づくと自動停止し、周囲が安全な状態になるまで停止を続ける仕組みを設ける。また、進捗や作業性能をリアルタイムで確認する機能も備える。機械の自律化と、現場管理者による稼働状況の把握を組み合わせる構成であり、施工計画の設定や現場管理まで不要になるわけではない。
同社公式の自律掘削映像。映像は10倍速であり、実際の作業速度を示すものではない。
複数の現場で安定稼働を支える運用体制の整備
共同創業者兼CEOのBoris Sofman氏は、既存の作業員や作業手順と共存して価値を生むことは実証できたとしたうえで、次の課題は、その能力をより多くの建設会社へ信頼できる形で届けることだと述べている。今回の資金調達も、導入台数だけでなく、各機械を支える現場運用の拡充に結び付ける方針である。
同社は将来、ダンプトラックやブルドーザー、ローダーにも対象を広げ、異なる機械が連携する現場を目指す。ただし、現時点の実績と将来構想は分けて見る必要がある。普及の判断材料となるのは、個別現場での稼働実績に加え、条件の異なる工事で同じ品質と安定性を維持できるかであろう。
参考文献:
※1:同社による6億ドルのシリーズC調達発表(2026年10月26日)(リンク)
※2:同社による完全自律型油圧ショベルの現場導入発表(2026年8月17日)(リンク)
※3:同社の公式技術紹介(リンク)
※4:Bessemer Venture Partnersによる出資理由と現場視察の説明(2026年10月26日)(リンク)
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