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貨物輸送を自動化する電動鉄道車両を開発するParallel Systemsが1億ドル調達


米国のParallel Systemsは2026年10月7日、シリーズCで1億ドルを調達したと発表した。同社は、既存の線路上でコンテナを自律輸送するバッテリー駆動の鉄道車両を開発する企業である。機関車に多数の貨車を連結する方式とは異なり、車両側に駆動機能を持たせ、輸送量に応じた運行を目指している。

今回のラウンドはAVPが主導し、Hillspire、Agility Global、Cobalt Capitalなどが参加した。調達資金は第3世代車両「Panther」の生産拡大と商用化、海外市場への展開に充てる。

短距離・少量輸送へ広げる鉄道の用途

同社が狙うのは、トラックで運ばれてきた短距離の貨物を鉄道へ取り込むことである。車両を輸送需要に合わせて組み合わせることで、長大な列車を前提としない運行を構想する。港湾と内陸の物流施設を結ぶシャトル輸送など、距離が短く、貨物量が比較的少ない区間でも、柔軟に便数を設定できる仕組みを目指している。

既存の鉄道網を利用する点も特徴である。新たな専用交通網の建設を前提とせず、鉄道会社の運行管理システムと接続しながら導入を進める。9月28日には物流・インフラ企業Agilityとの協業を発表した。湾岸諸国を含む中東、欧州、アフリカなどで、優先的に導入を検討する輸送区間と事業機会を探る計画である。

当社メディアでも以前、2025年のシリーズB調達と実証計画を取り上げた。現在は米ジョージア州で、鉄道事業者Genesee & Wyomingと実証を進めている。米連邦鉄道局(FRA)の監督下にある試験運行であり、あらゆる路線での無制限な自律運行が認められたわけではない。

連結器を使わない隊列走行と車両ごとの駆動・制動

技術の核は、コンテナを運ぶ車両に電池、電動モーター、周辺認識用のカメラやセンサー、制動装置を組み込み、車両ごとに走行を制御する仕組みである。機関車だけが牽引力を担う構成から、各車両が駆動力を持つ構成へ変える。これにより、複数の車両をまとめて走らせるだけでなく、輸送先に応じて隊列を組み替える運用を可能にする。

隊列走行では、車両同士を従来の金属製連結器で固定しない。米国立再生可能エネルギー研究所(当時NREL)が紹介した方式では、後続車両が前方車両を押すように接して走行する。車両間の隙間を抑えて空気抵抗を減らすとともに、機械的な連結・解放作業を減らし、必要に応じた隊列の形成と分離をしやすくする。

制動も車両ごとに担い、積載重量やレールとの摩擦に応じて制動力を調整する。位置や車両状態はセンサーで継続的に把握し、鉄道会社の運行管理と連携する設計である。車両単体の自律制御に加え、既存路線の運行ルールに従って他の列車と共存する仕組みが、実際の鉄道網への導入を支える。

第3世代車両の量産と海外での導入準備

創業者兼CEOのMatt Soule氏は、FRAが承認した実証を通じて実際の輸送区間でシステムを検証しており、今回の資金をPantherの生産拡大と海外市場への参入に直接充てると説明している。量産体制を整え、実証から継続的な貨物輸送へ移行する段階にある。

海外展開では、Agilityとの協業を通じて地域ごとの仕様調整、試験、規制対応を進める計画である。対象区間の選定から運行条件の確認までが必要であり、提携は現地での運行開始を意味しない。今後は車両の生産拡大と並行して、既存の物流業務に組み込める運行実績を積み重ねられるかが焦点となる。


参考文献:

※1:Parallel Systemsによる1億ドルのシリーズC調達発表(2026年10月7日)(リンク)

※2:Parallel Systemsの公式製品・技術説明(リンク)

※3:米国立再生可能エネルギー研究所による電動鉄道車両と隊列走行の解説(2024年3月5日)(リンク)

※4:AgilityによるParallel Systemsとの海外展開に向けた協業発表(2026年9月28日)(リンク)


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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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