既存の重機を自動化するBedrock Robotics、2.7億ドル調達で商用化を加速
Bedrock Roboticsは、既存の油圧ショベルやブルドーザーなどの建設重機に後付け可能な自律化システムを開発する米サンフランシスコ拠点のスタートアップである。Waymo出身エンジニアらが創業し、単体機の自動化にとどまらず、複数機を連携させるフリート制御によって建設現場全体の生産性と安全性向上を目指す。
同社はシリーズBで2億7000万ドルを調達し、累計調達額は3億5000万ドル超に達した。CapitalGやValor Atreides AI Fundなどが出資し、資金は自律技術の高度化と商用展開の加速に充てられる。
今回の資金調達で商用化が現実味を帯びる
今回のシリーズB調達は、単なる資金確保ではなく、Bedrock Roboticsが「建設現場の変革を担うプレイヤー」として市場から評価されたことを示す。以前弊社記事でも取り上げた通り、同社は米国建設業界で顕在化する人手不足や工程停滞といった課題に対し、重機の自律化を通じて解決を狙うスタートアップとして注目されてきた。今回の大型調達は、その取り組みが投資家の期待を集めた形だ。
その実装の一端は、2月6日に公開されたChampion Site Prepとの対談動画からも伺える。急拡大するテキサス市場において、同社は大型案件と人手不足への対応を迫られているが、自律重機の導入により作業の安定性と安全性の向上を期待しているという。自律化は人員削減ではなく、限られた人材でより多くの案件をこなすための手段と位置付けられており、現場での受容が進んでいることが示唆される。
既存重機を“後付け”で自律化するシステム
同社は、油圧ショベルやブルドーザーなどの建設重機にセンサーと制御装置を搭載し、機械そのものを自律運転可能なプラットフォームへ変換する技術を開発している。対象はあくまで既存の重機であり、機体側の基本構造を置き換えずに制御機能を追加する設計となっている。
システムはLiDAR、カメラ、GNSS、IMUなど複数のセンサーを組み合わせ、機体の位置・姿勢・周辺環境をリアルタイムで認識する。その認識結果をもとに制御アルゴリズムが走行・掘削・整地といった動作を生成し、油圧系を含む重機の操作を自動化する。
さらに遠隔監視や安全停止などの運用機能を組み込み、人間の介入を前提とした制御体系を持つ点も特徴である。これにより、建設現場の不確実性が高い環境下でも、自律動作を成立させる構成を取っている。
2026年中にオペレータ不要で稼働を目標に掲げる
同社CEOであるBoris Sofman氏は今回の調達について、「建設業界は限られた労働力でより多くのインフラを構築する必要がある」と述べ、自律化は選択肢ではなく必然であるとの認識を示した。その上で、今回の資金は自律機能の高度化と顧客現場への展開を加速させるために充てると説明している。
また、リード投資家であるCapitalG側も、建設分野における自律技術の実装可能性とスケールポテンシャルを評価したとコメント。単なる実証技術ではなく、実際の商用環境で展開可能な段階に入った点を強調している。
同社は今後、複数機を統合管理する運用機能の拡充や現場導入体制の強化を進め、2026年にはオペレーター不要で稼働する重機の実装を目標に掲げる。今回のラウンドは、技術開発段階から商用スケールへ移行する転換点として位置付けられる。
参考文献:
※1:Bedrock Robotics Raises $270 Million in Series B Funding to Accelerate the Future of Autonomous Construction( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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