AIとロボットを使った動的生産セルシステムを開発するMachina Labsが約190億円を調達、Wovenも出資へ
Machina Labsは、AIとロボットを使って、設計データから複雑な金属部品を製造するスタートアップである。同社は、金型や固定ラインに縛られた従来型の工場を、設計データに応じて柔軟に動く生産システムへ作り替えることを「工場を再プログラムする」と表現し、推進している。
主な顧客は防衛・航空宇宙や先端モビリティ分野で、従来は金型や治具が必要だった金属構造物を、設計変更に強く、短いリードタイムで製造できる点を強みとする。
2026年2月、同社はSeries Cで1.24億ドルを調達し、米国内で初となる大量生産向け拠点「Intelligent Factory」の立ち上げを進める。投資家にはWoven Capital(トヨタのグロースVC)やLockheed Martin Venturesなど、防衛・モビリティ分野と関係の深いプレイヤーが名を連ねている。
防衛を主軸に、民間案件も取り込む体制へ
今回の資金調達は、技術実証の段階を終え、量産を担う製造基盤を本格的に構築するための資金と考えられる。20万平方フィートのIntelligent Factoryに最大50基のロボット製造セルを並べ、複雑な金属構造体を年数千アセンブリ規模で量産する。設計データから成形・溶接・組立までを単一システムで回し、リードタイムを月単位から日単位へ圧縮する。
Woven CapitalやLockheed Martin Venturesの参加は、Machina Labsの製造アプローチが、防衛やモビリティ分野の将来の生産体制として評価されていることを示す。防衛を主軸にしつつ、トヨタとの車体パネル実証などを通じて、民間分野への適用可能性も探っている段階だ。
成形・溶接・組立を統合するロボット製造セル
同社の技術は、金属構造物の成形・溶接・組立を単一の製造セルに統合し、設計データから直接生産までを行う点に特徴がある。工程ごとに設備や外注を切り分ける従来方式と異なり、工場内で一連の加工を完結させる構成を取る。
中核となるRoboCraftsman™セルは、ロボティクスと機械学習を組み合わせ、独自のRoboForming™技術によって複雑な金属形状を成形する。金型や専用治具への依存を抑えることで、設計変更に対する柔軟性を確保している。
この構成により、試作と量産で設備や工程を切り替える必要がなく、同一システム上で生産を行える点が特徴だ。
「工場を再プログラムする」構想は実装できるか
今後の焦点は、Machina Labsが掲げる「工場を再プログラムする」という構想を、どこまで現実の製造現場に定着させられるかにある。
CEOのEdward Mehrは、先進的な設計が旧来型の工場に制約されている現状を指摘し、防衛・航空宇宙・モビリティ分野で待てない需要に応える製造基盤を構築すると強調する。
また、Lockheed Martin VenturesやWoven Capitalの評価は、同社が単なる新技術導入ではなく、将来の製造を支える基盤的プレイヤーとして期待されていることを示す。工場拡張が計画通り進み、継続的な供給実績を積み上げられるかが、構想をビジネスとして成立させる分岐点となる。
参考文献:
※1:Machina Labs Raises $124 Million to Scale Manufacturing Infrastructure for Defense and Advanced Mobility( リンク)
※2:Machina Labs Advances Custom Automotive Manufacturing with AI and Robotics( リンク)
※3:同社HP( リンク)
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