更年期を起点とした包括診療プラットフォームを開発するMidi Health、シリーズDで1億ドル調達 評価額は10億ドル超に
Midi Healthは、更年期およびペリメノポーズ期の女性を対象に、保険適用のバーチャル診療を提供する米国のヘルスケアスタートアップである。
ホルモン療法にとどまらず、内科、循環器、内分泌、メンタルヘルスなど複数診療科を横断し、ミッドライフ女性に特有の健康課題を一体として扱う点を特徴とする。ライフステージを軸に医療を再構成し、女性向け包括医療プラットフォームの構築を目指している。
同社はシリーズDラウンドで1億ドルを調達し、企業評価額は10億ドル超に達した。リード投資家はGoodwater Capitalで、Foresite Capital、Serena Venturesが新規参加。既存投資家としてGV(Google Ventures)やEmerson Collective、McKesson Venturesなどもラウンドに名を連ねている。
更年期を起点とした、ライフステージ軸の診療設計
今回のシリーズDでMidi Healthが高い評価を得た背景には、AI活用そのものよりも、医療を切り取る単位設計が背景にあると考える。
AIを用いた遠隔ケアの事例としては、以前弊社でも取り上げた筋骨格(MSK)領域に特化したSword Healthがある。同社については単一疾患領域でのスケールモデルとして紹介した。
一方で同社は、特定症状の改善ではなく、更年期を起点に中年期以降の健康課題を診療単位として再構成するアプローチを取る。保険適用のバーチャル診療を前提に、複数診療科を横断可能な医療プラットフォームへ拡張できる構造が、今回の評価につながっている。
診療を横断させるための運用基盤
同社は、AIを診断や治療の代替ではなく、診療プロセスを支える基盤技術として組み込んでいる。問診データや既往歴、症状の推移を整理・構造化し、医師が判断すべき情報に集中できる環境を整えている。
AIは、初期問診の整理や診療記録の作成支援など、医師の判断前後の業務を担う。これにより、複数診療科にまたがる患者情報を一元的に扱いながら、診療内容そのものは個々の状況に応じて設計できる。
こうした技術設計により、保険適用を前提としながらも、医師や個人の経験に依存しがちな中年期以降の診療を一定の型として提供できるようになっている。AIは診療行為そのものを置き換えるのではなく、複数診療科にまたがる医療を運用面から成立させる役割を担っている。
更年期特化から包括医療へ拡張できるか
Midi Healthは、更年期・ペリメノポーズ領域で確立した診療モデルを基盤に、ライフステージ横断の包括的な医療提供へ拡張する方針を明確にしている。
CEOのJoanna Stroberは、女性医療が長年後回しにされてきた点に言及し、今回の資金調達は質の高いケアをより多くの患者に届けるためのものだと説明する。実際、保険を通じて同社の診療にアクセス可能な人口は、全米で4,500万人を超えている。AIを活用した運用基盤を通じて、複数診療科を横断する医療モデルのスケールが焦点となる。
参考文献:
※1:Midi Health Surpasses $1B Valuation, Igniting a New Era for Women’s Health( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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