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空間生成AIを開発するWorld Labsが10億ドルを調達、NVIDIAやAutodeskも出資

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World Labsは、テキストや画像から探索可能な3D世界を生成するAIモデルを開発するスタートアップだ。3D空間を理解・生成・操作できる「ワールドモデル」の構築を掲げ、物理世界を扱えるAI基盤の実装を目指している。

同社は2026年2月、その開発加速のため総額10億ドルの資金調達を実施した。本ラウンドにはAutodesk、AMD、NVIDIA、Fidelity Management & Research Company、Emerson Collective、Seaなどが参加。Autodeskは出資に加え、戦略アドバイザーも務める。

業界全体として空間AIの本格検討が始まる

今回の資金調達が示すのは、空間AIが研究テーマの域を越え、産業実装を前提とした技術領域として扱われ始めたことだ。10億ドルのラウンドには、Autodesk、AMD、NVIDIA、Fidelity、Emerson Collective、Seaなどが参加し、半導体、設計ソフト、機関投資家、テック企業と業界横断的な顔ぶれがそろった。

特にAMDやNVIDIAの参画は、この分野が大規模な計算基盤を前提とすることを示す。一方、Autodeskの2億ドルの戦略投資とアドバイザー就任は、生成された3D世界を設計・建築・製造といった実務ワークフローへ接続する意図を明確にするものだ。計算基盤と産業ソフトの双方が同時に動いた点に、今回の特徴がある。

こうした動きは同社単独のものではない。GoogleもDeepMindの「Genie」を通じて、テキストからインタラクティブな3D世界を生成するワールドモデル研究を進めている。空間AIは一部の実験的テーマではなく、大手テック企業を含む複数プレイヤーが競う領域へと広がっている。

今回のラウンドは単なる大型調達というより、空間AIが業界全体で本格的な検討段階に入ったことを示すシグナルといえる。

探索可能な3D世界の構築

同社の中核技術は、3D空間を理解・生成・操作できる「ワールドモデル(World Models)」である。主力モデル「Marble」は、テキストや画像、動画など複数の入力から、空間的一貫性を保った探索可能な3D世界を生成する。単なる2D画像の立体化ではなく、視点を移動しても構造が破綻しにくい持続的な空間表現を構築できる点が特徴とされる。

生成された世界はGaussian Splattingやメッシュ形式などで出力可能で、既存の3Dエンジンや設計ソフトとの連携を想定している。これにより、初期的な空間生成から詳細設計、シミュレーション工程への接続が可能になる設計だ。

従来の生成AIが主にテキストや2D画像の統計的予測に基づいていたのに対し、同社は3D幾何構造や空間的整合性を扱うモデル設計を採用している。目的は、視覚的生成にとどまらず、空間構造を前提とした推論や操作を可能にする基盤の構築にある。

パートナー連携が実装の鍵

空間AIの実用化は、モデル精度の向上だけでなく、データ整備や計算コストの最適化といった基盤整備に左右される。特に3D世界の高精度再現は計算負荷が大きく、商用スケールへの展開には技術的・経済的ハードルが残る。

また、世界モデル研究はGoogleやMetaも進めており、標準を誰が握るかは未確定だ。World Labsの優位性は、技術そのものよりも、産業パートナーとの統合スピードに依存する可能性がある。

同社が産業実装まで踏み込めるかは、技術成熟度とパートナー連携の進展次第と考えられる。


参考文献:

※1:World Labs Announces New Fundingリンク

※2:Autodesk invests $200 million in World Labs, secures strategic advisor roleリンク

※3:Genie 3: A new frontier for world models(リンク




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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