自動車の運行をはじめとした企業のさまざまな「現場」を支援するAIプラットフォーム開発のMotive Technologiesが223億円を資金調達

AIプラットフォーム開発企業の米Motive Technologiesは2025年7月30日、$150m(約223億円)の資金調達を行ったと発表した。同社が開発するプラットフォームは、物流やエネルギー、実店舗が必要なビジネスに対し、輸送に使う車両の運転支援などさまざまな支援を行うものとなっている。
2013年にShoaib Makani CEOと、現在はボードメンバーとなっているObaid Khan元COOが設立した企業。本社はサンフランシスコに置く。
企業の車両から作業現場までさまざまな場面をAIで分析
Motiveは、企業が所有する車両とそのドライバーをサポートする事業が、投資家やメディアから注目されやすい。もっとも、AIプラットフォームによって行われる支援は多岐にわたる。その内容を挙げていく。
- ドライバーの安全
- フリート管理
- デバイス監視
- 支出管理
- 人材管理
- AIビジョン
「ドライバーの安全」は、AIを使ったいわゆる安全運転支援システム(ADAS)に近いもの。自車と他車の動きから安全な走行を図るだけでなく、ドライバーの眠気の検知なども行える。さらに「フリート管理(この場合は追従走行ではなく、クライアント企業が持っている車両全体のことを指すといえそうだ)」で、燃費面など効率的な車両運用を支援する。
MotiveのAIプラットフォームがドライバーの眠気を検知した場面(同社プレスリリースより)
また、Motiveはクレジットカードを発行しており、これを活用した「支出管理」も行う。ドライバーや車両の動きから、経費節減の提案をしてくれるものだ。
AIプラットフォームを使ったクライアント企業のサポートは、自動車に関連するものだけではない。それが「AIビジョン」で、職場に設置したカメラの映像から問題や非効率な行動を検知。たとえば、建設現場で安全規則に則った作業が行われているかなどが、分析する対象となる。
現在、Motiveが事業展開するのは主に北米地域で、FedEx Freightや小松製作所などといった顧客がプラットフォームを利用している。一方、資金調達直後の8月4日には、英国での事業開始を発表した。
調達した資金でグローバルな展開を目指す
2025年7月の資金調達は、ベンチャーキャピタル(VC)主導の下で行われた。資金は、AI機能の拡張や国際展開などに利用する。具体的に、前述の英国進出の他、インドでも研究開発を行っていく。
Makani CEOは、次のようにコメントした。
「私たちは、AIを活用して物理的なオペレーションを担う人々の業務をより安全で生産性の高いものにするという大胆なミッションを遂行し続けている。今回の資金調達により、AI分野におけるリーダーシップを拡大し、新たな市場に参入し、世界最大規模かつ最も複雑なオペレーションをサポートするチームを大きくしていく」
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