小児肥満ケア参入で事業拡張を図るClarity PediatricsがSeries Aで約1450万ドルを調達
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Clarity Pediatricsは、小児慢性疾患に特化したバーチャルケアプラットフォームを提供する米国のデジタルヘルス企業である。ADHDや不安障害といった小児領域でニーズの高い慢性疾患を対象に、オンライン診療を通じた専門的かつ継続的な医療支援を実施。商業保険およびメディケイドに対応し、既存の小児科医と連携する形でケア提供を行う点が特徴である。
同社はSeries Aにおいて、総額1,450万ドルの資金調達を実施した。リード投資家はJackson Square Venturesで、City Light Capital、MassMutual Catalyst Fund II、GingerBread Capitalなどが参加。調達資金は、バーチャル慢性ケアプラットフォームの機能強化に加え、新たに立ち上げる小児肥満ケアサービスの開発および提供体制構築に充当される。
小児慢性疾患ケアにおける医療アクセスの課題
米国では小児慢性疾患を抱える子どもが増加する一方で、小児専門医の不足や医療資源の地域偏在が深刻化している。特に小児肥満は近年急増しており、長期的な健康リスクを伴うにもかかわらず、専門的な継続ケアにアクセスできないケースが多い。加えて、低所得層やメディケイド利用家庭では通院負担や待機時間が障壁となり、適切な介入が遅れる構造的課題が存在している。
同社は、バーチャル診療を活用した慢性ケアプラットフォームにより、専門医療へのアクセス格差解消を目指す。オンライン診療を通じて地理的制約を取り払い、保険適用下で継続的な診療を提供することで、通院負担や待機時間を低減。小児科医と連携した紹介モデルを採用し、家族を含めた長期支援体制を構築することで、従来届きにくかった層への医療提供を可能にしている。
慢性疾患向け継続診療と多職種連携を支えるオンライン医療基盤
同社技術の中核は、小児慢性疾患に特化して設計されたバーチャルケアプラットフォームにある。単発診療ではなく、定期的なフォローアップや状態変化の継続把握を前提とした診療フローを採用。オンライン診療を軸にしながら、慢性疾患管理に必要な診療頻度・継続性・記録性を担保することで、対面医療では難しかった長期支援を可能にしている。
同社診療モデルは、米国小児科学会(AAP)のガイドラインに基づくエビデンスベースの治療プロトコルを標準化している点が特徴だ。医師の裁量に依存しがちな慢性疾患ケアを一定の品質で提供できるよう、診療判断や介入タイミングを構造化。これにより、地域や医師ごとのばらつきを抑えつつ、スケーラブルな医療提供モデルを構築している。
同プラットフォームは、医師だけでなく行動療法支援や家族を含めた多職種連携を前提に設計されている点も特徴の一つである。小児慢性疾患では家庭環境や行動変容が治療効果に直結するため、保護者を巻き込んだケア設計が不可欠。同社はこうした非医療データも含めて管理・活用することで、包括的な慢性ケアを実現している。
小児肥満ケア参入と疾患・地域拡張を見据えた成長戦略
同社は、2026年初頭から小児肥満ケア領域への本格参入を予定している。共同創業者兼CMOのAlesandro Larrazabal氏は「小児肥満は長期的な健康リスクを伴う慢性疾患であり、早期かつ継続的な介入が不可欠だ」と述べ、既存の慢性ケア基盤を活用した展開に意欲を示している。
また、CEOのChristina LaMontagne氏は「我々はエビデンスに基づく医療を、より多くの家族に届けることを使命としている」とコメント。標準化された診療プロトコルとオンライン診療を組み合わせることで、対応疾患の拡張とケア品質の維持を両立させる方針を示した。
さらに投資家サイドからも同社の将来性は高く評価されている。Jackson Square VenturesのVictor Echevarria氏は「Clarityは単一疾患対応ではなく、慢性疾患医療を横断的に支える基盤を構築している」と指摘。今後は地域拡大や連携強化を通じ、包括的な小児慢性ケアプラットフォームへの進化を目指す。
参考文献:
※1:Clarity Pediatrics Announces $14.5M in Series A Funding and Expansion of Virtual Chronic Care Platform into Pediatric Obesity Care( リンク)
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