ヒトラクトフェリンの商品開発を行うHelainaがシリーズBで約67億円を調達。ウシラクトフェリンより高いバイオアベイラビリティ

ヒトと同等の生理活性たんぱく質に関連する商品を開発しているバイオテクノロジー企業、HelainaがシリーズB資金調達ラウンドで$45m(約67億円)を調達した。同社が2024年9月25日、発表したもの。
今回の調達で、Helainaの資金調達総額は$83m(約123億円)に達した。
生理活性タンパク質によって栄養をイノベーションするHelaina
Helainaは、食品科学者のLaura Katz氏によって2019年に設立したバイオテクノロジー企業。Katz氏は、ニューヨーク大学で食品学修士号を取得し、食品メーカーで商品開発を進めてきた。また、日本におけるクックパッドと同様の米ウェブサービス「Epicurious」で6000万超の視聴回数を記録し、インフルエンサー的立場の人物でもある。
ヒトラクトフェリン(ヒトの母乳に含まれる生理活性たんぱく質)による栄養改善や同物質を含有する食品生産をビジョンに掲げるのがHelainaだ。
生理活性たんぱく質とは、生命活動に影響を与え、作用するたんぱく質である。これらのたんぱく質は微量で効果を発揮し、生体内のさまざまな生理機能を調節。具体的には、ホルモン、酵素、サイトカイン、抗体などが含まれる。
Helainaは、精密発酵プラットフォームを用いてヒトラクトフェリン「effera」を開発し、消費者ブランドや戦略的流通パートナーを通じた販売が始まる予定だ。efferaは、鉄分の恒常性や代謝をサポートし、バランスの取れた免疫反応を促進するだけでなく、有益な微生物叢(マイクロバイオーム)の成長も促進する商品である。
efferaはもともと、女性の健康や栄養をサポートする生物活性成分として開発したたもの。臨床・非臨床試験の結果、ウシ由来のラクトフェリンよりもバイオアベイラビリティ(食品や薬品を投与したことにより得られる効果)が高いと明らかになっている。
粉ミルク製造業者との提携も進めており、将来的には乳児用粉ミルクの発売によってすべての年齢層の健康サポートに取り組む。
資金調達の目的はefferaヒトラクトフェリンの商業化の加速
シリーズB資金調達ラウンドには、ベンチャーキャピタル(VC)、ファンド、イノベーションハブが応じた。Helainaは新たに調達した資金を、efferaの普及拡大に充てる。
「今回の調達はHelainaにとって新たな成長段階を示すものであり、新たなパートナーシップを通じて当社発の原料の供給を加速させるものだ。栄養学におけるイノベーションと科学的精密さを推進する長年の取り組みの成果ともいえる」と、CEOで創設者のLaura Katz氏は述べた。
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