肺疾患向けAI画像診断サービスを提供するIMVARIA、戦略的資金調達を実施
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AIを活用したデジタルバイオマーカー技術を開発する米国のヘルステック企業 IMVARIA, Inc. は、2026年1月、複数の主要医療関連企業から戦略的投資を受けたと発表した。医用画像をAIで解析し、肺疾患に特化した非侵襲的診断支援を検査サービスとして提供しており、今回の投資は、臨床実装フェーズに入った同社の事業基盤が評価されたものとみられる。
今回の資金調達は、英国の大手診断・スクリーニング事業者 InHealth Group に関連する InHealth Ventures をリード投資家とし、世界的検査サービス企業 Labcorp の Labcorp Venture Fund、既存投資家の Cedar Crest Holdings が参加している。投資額は非公表である。
画像診断AIの広がりと、肺CT領域での臨床実装
近年、医療分野では AIによる画像診断技術の活用が進んでいる。当社が以前紹介した Optain Health のように、網膜画像をAIで解析し、疾患の早期発見やリスク評価に応用する取り組みも登場しており、医用画像を起点とした診断支援は特定の診療科に限らない潮流となりつつある。
こうした流れの中で、IMVARIAは肺CT画像を対象としたAI画像解析を、臨床実装レベルまで引き上げている点が特徴的だ。
IMVARIAの中核技術は、CT画像から肺組織の微細な構造変化をAIで解析し、間質性肺疾患(ILD)や特発性肺線維症(IPF)を示唆する所見を定量化するデジタルバイオマーカー技術である。単なる画像分類ではなく、医師の診断判断を補助する検査サービスとして設計されている。
この技術の有効性を示すエビデンスの一つが、欧州呼吸器学会(ERS)で発表された研究成果だ。IMVARIAは、CT画像を用いたILD自動検出アルゴリズム(ScreenDx)について、COPD患者(n=260)および非COPD患者(n=2015)を含む2,000例超の症例データを用いて検証を行っている。
表:COPD群と非COPD群における患者背景およびCT撮像条件の比較この検証では、年齢・性別・人種といった患者背景に加え、GE、シーメンス、フィリップスといった主要CTメーカーの装置が含まれており、実臨床に近い多様な条件下で評価されていることが示されている。
研究結果として、同アルゴリズムはCOPD患者を含む集団で**感度約93%、特異度約96%**を示した。主力製品 「Fibresolve」 はFDA認可に加え、ブレークスルー指定と米国医師会(AMA)のCPTコード採用も取得しており、臨床フローへの組み込みが進む段階にある。
パートナー連携を通じてAI診断サービスを拡大
同社は今回の資金調達を通じて、肺疾患領域におけるAI診断サービスの普及と提供範囲の拡大を進める方針だ。特に、診断インフラや臨床ネットワークを有するパートナー企業との連携を通じて、AI技術を検査サービスとして医療現場に浸透させていく考えを示している。
共同創業者でCEOの Joshua Reicher 医師 は、「今回の戦略的投資の組み合わせは、臨床コミュニティにとっての主要なAIパワード・テストサービスパートナーとして、IMVARIAが台頭していく上で重要な節目となる」とコメントしている。
また同氏は、現在は非侵襲的な肺疾患診断に注力しているとした上で、AIプラットフォームとアルゴリズムの応用範囲をさらに拡大し、医療全体の進化を加速する可能性も視野に入れていると述べており、今後の技術展開にも含みを持たせている。
参考文献:
※1:IMVARIA Announces Strategic Investments from Leading Healthcare Companies( リンク)
※2:Automated AI detection of interstitial lung disease on CT in the COPDGene trial: sub-analysis of COPD vs. non-COPD patients( リンク)
※3:同社HP( リンク)
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