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電動軽量モビリティー開発のAlsoが293億円を資金調達。Rivianからスピンオフした米国のスタートアップ

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米国の自転車など軽量モビリティーの電動化を図るスタートアップ、Alsoは2025年7月9日、$200m(約293億円)の資金調達を完了した。

Alsoは電気自動車(EV)開発のRivianからスピンオフ(分社化。スピンアウトと異なり、本体との資本関係を維持した創業)する形で設立。シリコンバレーに本社を置く。

Instagramで情報を「小出し」

Alsoは2025年3月に設立したばかり。プロダクトも開発中であるためか、オフィシャルサイトには「キャリア」「ニュース」「ブログ」程度のコンテンツしか設けられておらず、技術的なトピックもほとんど掲載していない。

もっとも設立時、親会社にあたるRivianはその旨を広報するプレスリリースを発行した。プレスリリースの内容から、Rivianの分かる限りの情報を見てみたい。

Rivianは本日、マイクロモビリティー事業を新会社「Also, Inc.」として分社化したことを発表しました。Alsoは、現在および将来の世界的なモビリティー輸送の課題に対応するように設計された小型軽量車両に注力します。

世界の交通システムの持続可能な移行を実現する上で、小型電動フォームファクターへの大きなニーズを認識し、Rivianは数年前からマイクロモビリティーに焦点を当てたステルスプログラムを開始しました。この初期の取り組みの目的は、Rivianのソフトウェア、エレクトロニクス、電動推進の強みをどのように活用すれば、既存のプロダクトと比較してコスト構造を優位にし、大幅に強化されたプロダクトを実現できるかを検証することでした。これらの取り組みが進むにつれ、Rivianのアプローチには、様々な製品、ブランドポジショニング、市場に合わせて最適化された、独立した企業として事業を展開する価値のある大きな機会を創出する可能性があることが明らかになりました。

RivianはAlsoの相当数の少数株主であり、将来的にはRivianの小売拠点の一部を厳選して活用するなど、協業の機会を期待しています。

一方、Alsoもまったく情報発信をしていないわけではない。5月30日にブログを更新し、Instagramを開設したことを記している。このブログとInstagramからは、ゾーンアーキテクチャー(電気や通信のリソース配分をするアーキテクチャー)や自社製モーターなどを開発していることが、明らかとなった。

また、このブログより後には、ギアやコイルを写した画像を、Instagramに投稿している。

今秋、製品ポートフォリオを発表へ

2025年7月の資金調達には、Neil Mehta氏率いるベンチャーキャピタル(VC)のGreenoaksが応じた。資金の使途は明らかにしていないものの、「今秋後半に製品ポートフォリオと基盤技術を発表予定」と、ブログで明らかにしている。

また、同じブログには人材を求めている点を強調しており、当然、こちらも資金の使途の一つとなるだろう。




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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