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長城汽車の自動運転部門スピンオフのHaomoが約49億円の資金調達を実施

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Haomoは長城汽車の元自動運転部門

中国の民間大手自動車メーカーである長城汽車の元自動運転部門であったHaomo Zhixingが、46.4m$(約49億円)1)の資金調達を行ったと中国の複数のメディアが報じている。

Haomo Zhixingは2019年11月に長城汽車からスピンオフし、中国北京で設立されたベンチャー企業である。大株主は長城汽車グループのホールディングスであるGreat Wall Holdings Groupとなっている。ここまでほぼステルスモードとなっており、同社は全く表に出ていない(なお、同社は現在HPすらクローズしているようである)。

今回のラウンドにおいては、Hillhouse Capital Group、中国の電子商取引プラットフォームを運営する美団、鉄鋼コングロマリット企業のShougangらが出資を行っている。

低速自動運転レベル3に特化

一部外部に露出している情報では、同社の戦略は自動運転乗用車と低速のロジスティクス車両に特化しているようで、レベル3の自動運転システムを開発しているようである。

HaomoのモデルはGM+Cruiseモデルと同様と言われており、大株主の長城汽車のリソース供給と支援を受けながら、自動運転機能の開発に注力していると想定される。なお、同社はCEOに元Baiduの自動運転部門のリーダーであるGu Weihao氏が務めているようだ。


自動運転ベンチャーの最新動向がわかるカリフォルニア州の走行距離レポートをまとめているためこちらもご参考。

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あまり直接的な詳細情報が無く、HPすらアクセスできないというステルスモードの徹底ぶりですが、一部では問題なく自律走行のテストをしているような情報もあり、着実に自動運転システムの開発を進めているようです。中国の人材リクルーティングのサイトではかなり積極的に採用を行っている様子が確認でき、エンジニア中心の会社となっていることがわかります。同社の情報も、ニュースサイトよりもこうしたリクルーティングサイトが一番豊富に載っています。当面ステルスが続くと思いますが、今後どのような情報が公開されていくか、注目していきたいと思います。

参考情報:

1) Pitchbook "Haomo Zhixing", (リンクはこちら

  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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