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Space Pioneer TechnologyがシリーズC+で300億円の資金調達。ロケット開発を加速

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中国の民間宇宙開発企業Space Pioneer Technologyが、今年6月にシリーズC+ラウンドで$207m(約300億円)の資金調達に成功したと発表した。同社は次世代の商用ロケット開発に注力しており、特に今回の調達資金では、ロケット「Tianlong(天龍)」シリーズの打ち上げや量産を進める。漢字表記では「天兵科技」という社名だ。

政府支援で商業宇宙産業のリード企業へ

Space Pioneer Technologyによれば、Tianlong 3(天龍3、TL-3)は米国の宇宙開発企業であるスペースXのFalcon 9に匹敵する性能を持ち、地球低軌道上に17トンのペイロードを打ち上げられる。Tianlong 3は将来的に年間30機の打ち上げを計画しており、再利用可能なパーツや液体推進燃料などによる環境配慮も進めつつ、中国政府が目指す商業宇宙市場の開拓をリードしたい考えだ。

中国政府は、国家安全保障の課題としてメガコンステレーション(大規模衛星群)を掲げている。政府はSpaceX社のスターリンク衛星群に対抗した国家衛星インターネットプロジェクトの構築を目指しており、それを受けてSpace Pioneer Technologyは世界的な競争力の強化および技術革新と市場拡大を進めるとしている。

すでに打ち上げ実績を持つロケットの増産と新型ロケット開発で打ち上げ能力の増強へ

このラウンドには、政府系投資企業やプライベートエクイティが参加した。応じたのは、Wuxi Chuangfa、CCTV Fundなど。

Space Pioneer Technologyは2023年4月に小型ロケット、Tianlong 2の打ち上げと、地球観測衛星の軌道投入に成功したことを発表しており、今回の資金調達の用途としてTianlong 2の量産を挙げている。現在打ち上げの準備中である新型の二段式ロケットTianlong 3の打ち上げと量産、再利用に向けた設計転換と改造にも使用される予定だ。




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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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