韓国発AIチップのRebellionsが4億ドルのPre-IPO調達、「K-Nvidia」構想の第一号案件としてNvidia対抗に本格始動
韓国のAI半導体スタートアップRebellionsは2026年3月30日、Mirae Asset Financial Groupと韓国国家成長基金の共同リードによるPre-IPOラウンドで4億ドルを調達した。企業価値評価は約23.4億ドル。Aramco、Arm、Samsung、SK Hynixなども出資に参加した。調達資金は米国展開と、同社第2世代のフラッグシップNPU「Rebel100」の量産拡大に充てる。
GPU一強体制に風穴を開ける韓国のチャレンジ
今回の調達で注目すべきは、韓国国家成長基金からの2,500億ウォン(約1.66億ドル)の出資である。
同基金が設立以来初めて実行した直接エクイティ投資であり、韓国政府が推進する「K-Nvidia」構想の第一号案件となった。K-NvidiaはGPUの消費電力とコストの壁を突破するため、AI推論特化型NPUの韓国国産エコシステムを国策で育成するプロジェクトである。
2020年創業のRebellionsは2024年末にSK Telecom子会社Sapeon Koreaを吸収合併し、韓国AIチップ設計のトップ2を統合した。直近6カ月で6.5億ドルを集め、累計調達額は8.5億ドルに達する。
チップレットと独自アーキテクチャで推論の省電力化を図る
同社の技術のポイントは、処理要素間の経路を動的に再構成するCGRAアーキテクチャとソフトウェア定義ネットワーク・オン・チップの組み合わせにある。Samsungの4nmプロセスで製造するRebel100の4チップレット構成版「REBEL-Quad」は、チップレット間の高速接続規格UCIe-Advancedを世界で初めてAIアクセラレータに採用し、144GBのHBM3Eメモリと4.8TB/sの帯域幅を備える。
Park Sunghyun CEOは「GPU並みの性能をエネルギー税なしで提供する道がある」と述べている。PyTorchやvLLMなどオープンソースベースのソフトウェアスタックで既存環境からの移行障壁を低く抑えている点も強みである。
ラック単位のインフラ提供で代替路線を実証へ
資金調達と同時に、ラック単位の推論コンピュートユニット「RebelRack」と複数ラックをクラスタ化した大規模推論基盤「RebelPOD」を発表した。チップ単体ではなくラックスケールのインフラとして提供し、NvidiaのAIサーバーシステムDGXの代替となる即戦力を示す。
同社第1世代NPUであるATOMチップはSK TelecomやKT Cloudのデータセンター、日本・サウジアラビア・米国の顧客に展開済みで、売上高は2024年に156億ウォンと前年比約5.8倍に急伸した。2025年にはMarvellと提携し主権国家向けカスタムAIインフラの共同開発にも着手した。Samsung証券を主幹事に選定し、2026年後半のKOSDAQ上場を目指す。
GPUは依然としてNVIDIA一強であり、各社でNVIDIA依存の事業インフラが構築されてきた。一方で、最近はハイパースケーラーが自社データセンター向けに高性能な独自チップを開発し、NVIDIA依存からの脱却とコスト削減を目指す動きも出てきている。Rebellionsは、今後のAIデータセンターで求められる「推論」にフォーカスして、この市場へ参入する戦略となっている。
参考文献:
- ※1 Rebellions プレスリリース(リンク)
- ※2 Rebellions Newsroom REBEL-Quad発表(リンク)
- ※3 Rebellions Newsroom Marvell提携(リンク)
- ※4 韓国政策ブリーフィング 報道参考資料 K-NVIDIA育成プロジェクト(リンク)
- ※5 韓国政策ブリーフィング 政策ニュース 国民成長基金によるRebellions直接投資(リンク)
【世界のAIデータセンターや半導体チップの動向調査やコンサルティングに興味がある方】
世界のAIデータセンター・半導体チップの業界動向調査、技術調査、新規事業機会の探索、参入戦略立案、パートナー探索などに興味がある方はこちら。
先端技術調査・コンサルティングサービスの詳細はこちら
CONTACT
お問い合わせ・ご相談はこちら