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半導体の設計から製造までを手がけるGSMEが3500万ドルを調達

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米国・カリフォルニア州サンノゼを拠点とする GS Microelectronics U.S.(GSME) は、3,500万ドルのシリーズB資金調達を完了したと発表した。本ラウンドは Maverick Silicon が主導し、同社が展開する半導体サービスプラットフォームの今後の拡大に期待が寄せられている。

同社は、チップの設計支援から製造、テスト、品質保証までを一貫して支援する半導体サービス企業だ。高性能GPUや特殊CPU、低電力IoT向けデバイス、ワイヤレス製品向けのカスタムシリコン設計に加え、パワーマネジメントICやmmWaveフロントエンドIPなど、対応領域は幅広い。複雑になりがちな半導体開発プロセスを整理し、開発期間やコストの最適化を図る点も同社の特徴となっている。

AIによって設計・製造の意思決定を効率化 

同社は、CoWoSクラスのアーキテクチャを含む2.5D/3Dパッケージングへの対応を強化する。AIやHPC、RF分野では、複数チップを高密度に接続する先端パッケージングが、性能や供給の両面で重要な要素となっている。

こうした分野では、パッケージング工程が単なる組立ではなく、設計段階からの最適化が求められる。同社は、熱設計や電気特性、信号整合性まで含めた設計支援を行い、顧客ごとの要件に合わせたパッケージング設計を提供する体制を整えている。

特に同社が技術的な中核として位置付けるのがAIの活用だ。同社は、設計・製造プロセス全体を支える基盤として、AIエージェントベースの意思決定支援プラットフォーム「AI-Digital Brain」の開発を進めている。

AI-Digital Brainは、設計、製造、サプライチェーンで発生するデータを統合し、リアルタイムアラート、リスク分析、歩留まり改善、予測モデリングを行う。分析結果を提示するだけでなく、判断に直結する示唆を提供する点が特徴で、同社はこのAI基盤を通じて、複雑化する半導体開発の意思決定そのものを効率化しようとしている。

パッケージング技術やAI基盤の開発を進める

今回の資金調達について、同社のCEOである Farhat Jahangir氏 は、「Maverick Siliconとの協業は、我々のビジョンと技術力に対する信頼の表れだ。単なる資金調達にとどまらず、戦略的なパートナーシップとして大きな意味を持つ」とコメントした。また、Maverick Silicon側も、同社が透明性と顧客中心の姿勢を軸に、半導体業界に新たな選択肢を提示している点を評価している。

調達した資金は、2.5D/3Dパッケージング技術への対応強化や、AIを活用した設計支援プラットフォームの開発、人材採用などに充てられる予定だ。同社はこれまでに戦略的な買収も進めており、今後はそうした企業との技術統合を進めながら、より包括的な半導体設計・製造・テストのソリューション提供を目指していくとしている。


参考文献:

※1:GSME Secures $35M Series B Fundingリンク

※2:同社HPリンク



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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