ラストマイル配送向け小型EVを開発するALSO、DoorDashと提携し2億ドル調達
ALSOは、都市部のラストマイル配送向け小型EVを開発する企業である。配送用途に特化した車両を手がけており、自転車レーンや路肩、縁石周辺など、従来の大型車両では扱いにくい都市空間での運用を想定する。高密度都市における配送効率の向上を見据え、小型自律EVの開発と展開を進めている点が特徴である。
同社はSeries Cで2億ドルを調達した。ラウンドはGreenoaksが主導し、Prysm Capitalが参加、DoorDashも戦略投資家として加わった。あわせて両社は複数年の商業提携を締結しており、今回の調達は資本提携と事業提携を一体で進める内容となる。調達資金は生産拡大とグローバル展開に充てる方針である。
DoorDash出資で進む、都市型ラストマイル配送の実装
今回のSeries Cで重要なのは、ALSOが2億ドルを調達したこと自体よりも、そのラウンドにDoorDashが戦略投資家として参加し、複数年の商業提携まで同時に結んだ点である。資本参加と事業提携が一体で示されたことで、同社の小型自律EVには開発資金だけでなく、具体的な実装先と商用化の経路が付与されたとみるべきである。
DoorDashは、ローカルコマース基盤の拡大を進める一方で、自動配送については自動運転車や配送ロボットを組み込む展開を明確に打ち出している。2025年にはWaymoと自動配送を開始し、自社開発ロボットDotも公表した。Dotは自転車レーン、道路、歩道、私道をまたいで走行できる小型配送ロボットとして位置づけられており、ALSOへの出資は、こうした都市部ラストマイル向け小型EVをDoorDashのマルチモーダル配送戦略に組み込む動きと解釈できる。本件は、小型自律EVの実装に向けてDoorDashが出資と提携の両面でコミットしたラウンドである。
モジュール化とソフト更新で拡張する車両基盤
同社技術の中核は、小型EVを単体の車両としてではなく、ソフトウェアと接続されたモビリティ基盤として設計している点にある。同社は独自の駆動システム「DreamRide」を通じて、ハードウェアとソフトウェアを一体で最適化し、走行性能や制御性を含めた車両全体の完成度を高めている。
加えて、販売後もOTAアップデート(通信経由のソフトウェア更新)によって機能改善できる構成を採っており、車両を継続的に進化させることが可能である。車両を売って終わりにするのではなく、ソフトウェア更新を通じて性能や機能を改善し続けられる点に、同社のサービス的な特徴がある。
さらに、モジュラー設計やアプリ連携を通じて、用途変更や車両管理にも対応している。こうした構成からみると、ALSOは単なる小型EVメーカーというより、都市部のラストマイルに適した接続型モビリティを構築する企業と位置づけられる。
自転車レーンや路肩での運用を起点に、小型自律EVの商用展開を進める
同社の共同創業者兼社長Chris Yuは、小型の自律EVが自転車レーンや路肩、縁石周辺といった「道路とその周辺のあいだ」の空間に最適だと述べている。今後は、従来車両が入り込みにくい都市部ラストマイル領域を主戦場として、小型自律EVの開発を進める方針である。
一方、DoorDash共同創業者でDoorDash Labs責任者のStanley Tangは、ALSOの車両が顧客や加盟店に新たな接点をもたらすと評価し、自律配送の拡大に向けて出資と提携の両面で関与する姿勢を示した。ALSO側も、生産拡大とグローバル展開を進めつつ、人とモノの双方を運ぶ車両を有人・自律の両形態で展開する考えを示している。
参考文献:
※1:ALSO partners with DoorDash to accelerate autonomous delivery.( リンク)
※2:DoorDash and Waymo Launch Autonomous Delivery Service and Introduce Limited-Time Waymo Promotion for DashPass Members.( リンク)
※3:同社HP( リンク)
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