Hark、7億ドル調達 Figure AI創業者がAI専用デバイスに挑む
Brett Adcock氏が創業したAI企業Harkは、Series Aラウンドで7億ドルを調達し、ポストマネー評価額が60億ドルに達したと発表した。今回のラウンドはParkway Venture Capitalが主導し、NVIDIA、AMD Ventures、Intel Capital、Qualcomm Ventures、Salesforce Ventures、ARK Investなどが参加した。
Adcock氏は、ヒューマノイドロボット企業Figure AIの創業者兼CEOとして知られる連続起業家だ。これまでに人材マッチング企業Vettery、eVTOL企業Archer Aviationを共同創業しており、ロボティクス、航空モビリティ、人材領域で事業を立ち上げてきた実績を持つ。
同社は、パーソナライズされたAIシステムとAIネイティブなハードウェアデバイスを組み合わせ、人間と機械をつなぐ新たなインターフェースの構築を目指している。調達資金は、個人向けAIプラットフォームと専用ハードウェアの開発加速に充てる方針だ。
Figure AI創業者が狙う、人とAIの新たな接点
今回のポイントは、同社が具体的な製品仕様をほとんど明かしていない段階で、7億ドルという大型資金を集めた点にある。公式サイトで確認できる情報は、パーソナルAI、音声・テキスト・視覚モデル、永続的な記憶、専用ハードウェア、エージェント型コンピューターといった構想に限られる。
それでも高い評価を得た背景には、Brett Adcock氏の実績がある。Figure AIでヒューマノイドロボットを率いてきた同氏が、次の領域として「人とAIの接点」をハードウェアから作り直そうとしている点が、投資家にとって大きな期待材料になっている。
つまり今回の調達は、完成した製品への評価というより、Adcock氏がFigure AIで培ったロボティクス・ハードウェア開発の知見を、個人向けAIインターフェースへ転用できるかに対する先行投資といえる。AI競争がモデル性能だけでなく、ユーザーとAIがどのように接するかへ広がる中で、同社は「AI専用デバイス」という未確立の市場に踏み出している。
専用デバイスで実装する、マルチモーダルAIと記憶機能
技術面での中核は、音声・テキスト・視覚を扱うマルチモーダルAIと、ユーザーごとの文脈を蓄積する記憶機能にある。同社は、単発の質問に答えるAIではなく、利用者の行動や過去のやり取りを踏まえ、継続的に最適化されるパーソナルAIを目指している。
また、同社はAIを既存アプリの中で使うだけでなく、専用ハードウェアを通じた新しい操作体験として設計しようとしている。音声、視覚、記憶を組み合わせることで、ユーザーが毎回指示を細かく入力しなくても、状況に応じて支援できるAIインターフェースを想定しているとみられる。
ただし、現時点で公開されている技術情報は限られており、モデル性能やデバイス仕様は明らかになっていない。そのため技術面の焦点は、個別のスペックではなく、マルチモーダルAI、長期記憶、専用デバイスをどこまで一体の体験として成立させられるかにある。
今夏のAIモデル展開を皮切りに、専用デバイス投入へ
同社は今後、まずAIモデルを今夏に展開し、パーソナルAIプラットフォームへの早期アクセスを開始する方針だ。その後、AIシステム専用に設計されたハードウェアデバイスを投入し、モデル、ソフトウェア、ハードウェアが一体となった体験の構築を目指す。
Adcock氏は、同社が目指すAIについて「ユーザーを理解し、言語を話し、高度にパーソナライズされ、その人のために作られたハードウェア上で動くもの」と説明している。今回の資金調達は、そうしたAIを迅速かつ大規模にユーザーへ届けるためのものだ。
今後の焦点は、構想段階にあるパーソナルAIを、どのような製品体験として提示できるかにある。現時点ではデバイスの形状や発売時期は明らかにされておらず、まずは今夏のAIモデル展開と、その後のハードウェア発表が注目点となる。
参考文献:
※1:Hark Raises $700M Series A at a $6B Valuation( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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