遺伝子医薬向け次世代DDSを提供するSonoThera、J.P. Morgan Healthcare Conferenceで1.25億ドル規模の資金調達を開始
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遺伝子医薬向けの次世代ドラッグデリバリー(DDS)技術を開発する米国バイオテクノロジー企業 SonoThera は、2026年1月、約1.25億ドルのシリーズB資金調達ラウンドを開始したと発表した。本発表は、サンフランシスコで開催される J.P. Morgan Healthcare Conference に合わせて行われている。
同社は、独自の超音波媒介デリバリー技術 RIPPLE™ を基盤に、従来の遺伝子治療で課題とされてきた遺伝子サイズの制約や投与の柔軟性といった問題の解決を目指している。今回の資金調達は、複数の遺伝子医薬プログラムをヒト初回投与試験へ進めるための開発資金確保を目的としたものだ。
世界のヘルスケア投資が動くJ.P. Morgan Healthcare Conference
J.P. Morgan Healthcare Conference は、毎年1月に米国サンフランシスコで開催される、世界最大級のヘルスケア・ライフサイエンス分野の投資家向けカンファレンスだ。製薬企業やバイオテック企業の経営陣、機関投資家、ベンチャーキャピタルが集まり、年初の業界動向や投資先を見極める場として知られている。
このカンファレンスの特徴は、単なる情報発信の場にとどまらず、実際に大型の投資やM&A、戦略的提携が動いてきた実績にある。過去には Johnson & Johnson(J&J)をはじめとする大手製薬企業が、この時期に合わせて巨額の買収や投資を発表しており、業界内ではカンファレンス前後の期間を「JPM Week」と呼ぶことも多い。
こうした背景から、同カンファレンスに合わせて資金調達を発表することは、企業がグローバルな投資家から本格的な評価を受けにいく段階に入ったことを示すシグナルと受け取られる。同社が今回、シリーズBラウンドの立ち上げをこの場で発表したことも、ヒト初回投与試験を見据えた次の開発フェーズへ進む節目にあることを印象づける動きであるといえる。
超音波を用いた次世代ドラッグデリバリー技術「RIPPLE」
同社の中核技術である「RIPPLE™」は、超音波を用いて遺伝子医薬を標的組織へ届ける非ウイルス型の次世代ドラッグデリバリー(DDS)技術だ。DNAやRNAなど分子サイズの大きい遺伝子医薬にも対応でき、従来のウイルスベクターで課題となっていたサイズ制限や再投与の難しさ、免疫反応リスクの低減を目指して設計されている。
RIPPLEは、超音波により一時的に細胞膜の透過性を高めることで、多様な遺伝子フォーマットを、さまざまな臓器へ選択的に送達できる点が特徴とされる。公式サイトでは「versatile(汎用性)」を強みとして掲げており、単一疾患にとどまらず、複数の遺伝子医薬プログラムへ横断的に展開可能なプラットフォーム技術として位置づけられている。
ヒト初回投与試験とプラットフォーム展開を進める
同社は、今回のシリーズBで調達する資金を活用し、複数の遺伝子医薬プログラムをヒト初回投与試験へ移行させる方針だ。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)や腎疾患などの希少・難治性疾患を対象に、前臨床で得られた成果を臨床段階へつなげる開発を本格化させる。
CEOのKen Greenberg氏は、RIPPLEを「遺伝子医薬の制約を解消する基盤技術」と位置づけている。今後は特定疾患ごとの開発に加え、汎用性の高いドラッグデリバリー基盤として複数プログラムへ横断展開する考えで、SonoTheraは遺伝子医薬分野におけるプラットフォーム型企業を目指す。
参考文献:
※1:SonoThera Launches $125M Series B at 44th J.P. Morgan Healthcare Conference to Advance Multiple Genetic Medicine Programs Toward First-in-Human Studies( リンク)
※2:同社HP( リンク)
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