Vast、民間宇宙ステーション「Haven」開発加速へ5億ドル調達 三井物産・MUFGも参加
米宇宙スタートアップ Vast は2026年3月、商業宇宙ステーション「Haven」シリーズの開発を加速するため、総額5億ドル(約750億円)の資金調達を実施した。資金は3億ドルのSeries Aと2億ドルのデットで構成され、Qatar Investment Authorityや三井物産、MUFGなどが参加した。
調達資金は、2027年打ち上げ予定の単一モジュール型宇宙ステーション 「Haven-1」 の完成および、ISS後継を視野に入れた拡張型ステーション 「Haven-2」 の開発に充てられる。Vastは低軌道における研究、宇宙製造、民間宇宙飛行などの商業利用を想定した宇宙インフラの構築を目指している。
ISS後継を巡る民間宇宙ステーション競争、日本企業も参画
同社が開発する宇宙ステーション「Haven-1」は、SpaceXのFalcon 9で打ち上げられ、Crew Dragonがドッキングして宇宙飛行士を輸送する設計となっている。つまり同ステーションは、SpaceXの輸送サービスを前提として構築される宇宙インフラである。
今回の資金調達には三井物産やMUFGも参加しており、日本企業がこの商業宇宙ステーション計画に出資する形となった。ISSの運用終了が見込まれる中、SpaceXが輸送を担い、その上に民間企業が宇宙ステーションを建設し、国際資本が投資するという新しい産業構造が形成されつつある。今回の出資は、日本企業がそのエコシステムに関与し始めた事例といえる。
単一モジュールから拡張する新しい宇宙ステーション設計
同社が開発する宇宙ステーション「Haven-1」は、低軌道での短期滞在ミッションを想定した単一モジュール型の商業宇宙ステーションである。2027年の打ち上げを予定しており、SpaceXのFalcon 9で打ち上げられ、Crew Dragonがドッキングして宇宙飛行士を輸送する設計となっている。ステーションには最大4人の宇宙飛行士が滞在でき、滞在期間は最大約30日を想定する。
ISSのような大型の組立型ステーションとは異なり、Haven-1は単一モジュールで運用を開始するコンパクトな設計が特徴だ。まず比較的小規模なステーションとして運用実績を積み、微小重力研究や商業ミッションの需要を取り込む。その後、モジュールを追加することでより大型の宇宙ステーションへ拡張する計画である。
同社は将来的に、ISSの運用終了後を見据えた拡張型ステーション「Haven-2」の開発も進めており、段階的に宇宙ステーションを拡張していく構想を掲げている。
Havenシリーズで宇宙拠点の確立を狙う
ISSは2030年前後に運用終了が予定されており、NASAはその後の低軌道活動拠点を民間宇宙ステーションへ移行する方針を進めている。同社はまず単一モジュール型のHaven-1を打ち上げ、微小重力研究や商業ミッションを通じて運用実績を確立する計画だ。その後、モジュールを追加することで拡張型ステーション「Haven-2」へ発展させ、ISS後継の宇宙拠点としての位置付けを狙う。
同社CEOのMax Haot氏は「低軌道経済は重要な転換点にあり、商業宇宙ステーションの需要は今後拡大する」と述べ、Havenステーションについて「微小重力研究や宇宙製造への安全で低コストなアクセスを提供する基盤になる」との考えを示した。
NASAのCommercial LEO Destinations(CLD)では複数の民間ステーション構想が検討されているが、同社は小型ステーションを早期に打ち上げて実運用を開始する戦略を採る。段階的に拡張するモジュール型設計を活かし、低軌道の新たな宇宙インフラとしての実用化を目指す。
参考文献:
※1:Vast Secures $500M in Funding to Accelerate Production of Haven Space Stations( リンク)
※2:Vast Advances Haven‑1 Into Integration Phase( リンク)
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