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資料作成AIを開発するGAMMAがシリーズBで6,800万ドルを調達

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Gammaはサンフランシスコを拠点とする、AIで誰でも簡単にプレゼンや資料を作れるサービスを提供する企業。専門的なデザインスキルがなくても、アイデアの断片から数秒で洗練されたスライドやウェブページ、文書を生成できる点が特徴だ。すでに7,000万人以上が利用し、毎日100万点以上のコンテンツが作成されるなど急成長を続けており、資料作成の効率化と質の向上を同時に実現している。

同社は2025年11月、Andreessen Horowitz(a16z)が主導するシリーズBラウンドで6,800万ドルを調達し、企業評価額は21億ドルに到達した。AccelやUncork Capitalなど著名VCも参加し、従業員・初期株主向けのセカンダリーも組み込まれた。ARRは1億ドル超を突破し黒字成長を維持。調達資金はプロダクト強化、AIエージェント機能の高度化、グローバル展開に充てられ、さらなる成長加速を目指す。

AIエージェント基盤が実現する高度な編集体験

同社技術は生成AIを基盤に、テキスト入力から資料の構成・レイアウト・デザインを自動生成する。入力内容を理解し、要点に合わせてページ構成を組み立て、色・余白・配置をAIが最適化。テンプレートを流用するのではなく、内容に応じて動的に資料全体を構築できる点が特徴で、短時間で一貫性のあるビジュアルを生み出せる。

こうした自動生成に加え、内容の書き換えや構成変更を対話的に行えるAIエージェント基盤を備える。ページ単位ではなく資料全体を再生成できるため、構成の整合性とデザインの一貫性が保たれる。独自の軽量レンダリング技術で編集結果が即時反映され、ブラウザ上で滑らかに操作できる制作体験を実現している。

技術強化とグローバル展開の加速

今回の資金調達により、生成AIエンジンの高度化と資料生成エージェントの強化が一段と加速する見通しだ。入力内容に応じた構成提案や改善案の精度向上、グラフ・図解生成の自動化など、プロダクト中核となる技術領域への投資を拡大する。さらに、リアルタイム編集の高速化や安定性向上にも取り組み、より複雑な制作ワークフローにも対応できる次世代プラットフォームの構築を進めていく。

調達資金は事業拡大にも活用され、企業向け機能の強化や国際展開を加速する原動力となる。特にエンタープライズ向けでは、セキュリティや管理機能の充実に投資し、大規模導入に耐える基盤づくりを進める方針だ。また、海外でのマーケティングや販売体制を強化し、パートナー企業との連携も深めることで、AIを活用した資料作成市場でのグローバルな存在感を高める戦略を描いている。


参考文献:
※1:How we built a usd100m business differently(リンク



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  • 記事・コンテンツ監修
    小林 大三

    アドバンスドテクノロジーX株式会社 代表取締役

    野村総合研究所で大手製造業向けの戦略コンサルティングに携わった後、技術マッチングベンチャーのLinkersでの事業開発やマネジメントに従事。オープンイノベーション研究所を立ち上げ、製造業の先端技術・ディープテクノロジーにおける技術調査や技術評価・ベンチャー探索、新規事業の戦略策定支援を専門とする。数多くの欧・米・イスラエル・中国のベンチャー技術調査経験があり、シリコンバレー駐在拠点の支援や企画や新規事業部門の支援多数。企業内でのオープンイノベーション講演会は数十回にも渡り実施。

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